RSウィルス感染症
原因
日本では、11月から1月を中心に流行します。1歳までに50〜70%以上、3歳までにほぼ全ての小児が感染します。母親からの抗体で感染を防げないので新生児も発症します。感染力は強く、飛沫と接触感染の両方で感染します(家族間での感染率が44%との報告もあります)。小児は症状が消えてから徐々に感染力は低下しますが長いと3〜4週間も感染力があります。接触感染が多いので手洗いは感染防止に有効です。
症状
潜伏期は2〜8日(4〜6日が主)とされ、発熱、鼻汁などの症状が数日続き、その後に咳が悪化します。悪化すると喘鳴(ぜんめい)、陥没呼吸や呼吸困難がみられることがあります。症状は通常7日から12日程度で落ち着きます。RSウイルスは何度も再感染を起こします。大人や年長児は軽症のことが多いですが、乳幼児では気管支炎や細気管支炎をおこしやすいです。
治療
治療は基本的には対症療法が中心です。気管拡張剤やステロイドの吸入や点滴、あるいはロイコトリエン拮抗薬など喘息治療薬も用いられることがあります。
学校・保育所
学校保健法では出席停止の基準はありません。特に乳児を扱う保育所で流行しやすく、症状が落ち着くまでは学校や保育所を休ませます。